そこにある愛を綴るのは

コラム

家族写真プロジェクトが初めて開催する
「家族写真を撮影しているフォトスタジオ・カメラマンのためのグランプリ」
家族写真グランプリ2021のエントリーが始まりました。
8/15締め切りですが続々とお写真とその写真にまつわるエピソードが届いています。

ただ見ただけではよくある家族写真。
でも、その写真を撮った背景やご家族の言葉や、その写真を撮影したカメラマンの家族写真に対する想いをエピソードにし、写真とセットで送ってもらう。
今回はそのエピソードも選考対象としています。

どうしてその写真を撮りたいと思ったのか。
どうしてこの写真を応募したいと思ったのか。

エピソードを読むとそのご家族とカメラマンしか知らない、家族の物語がそこにあります。

会ったこともない、写真の中でしか知らないご家族なのに
エピソードを読むだけで感情移入し、涙が出そうになります。

写真はその1枚に1000の情報量を持っていると言います。
それだけ、視覚から入ってくる情報は多い。
言葉は人に与える情報の7%しか影響しないという話も聞きます。
人はいかに視覚で物を見ているのか、という事なのでしょうか。

それでも、わずか7%の言葉が人の心を大きく動かすことがある。
その時の被写体の思いや情景が言葉となり写真に肉付けされて、より鮮やかにその写真が輝く瞬間を何度も目にしました。

写真に添えられるエピソードは、カメラマンから見たその家族の姿。
カメラマンは、家族の歴史を、一緒にいることの理由を綴り、語ることができる役割を持っています。
ひとつひとつの家族に物語があり、その物語を一緒に作っているのがカメラマンです。

私たち家族写真プロジェクトの特徴は
「写真+ことば」を大事にしていること。

写真だけでは伝わらない。
ことばだけでは伝えきれない。
ふたつが合わさってより深くその人の中に思い出として刻まれる。

そして、写真や言葉でも伝えられないものもあります。
まなざしや、ぬくもりや、におい。
ほほにあたる風や、指先に触れる髪の毛の感触。
大好きな人の声やしぐさ。
あの夏に食べたかき氷の味。
そこまでは伝わらない。

でも、限りなく思い出せるように
そこにある確かな愛を、写真や言葉で残していくのだと思います。

もう二度と戻らないその時その時の愛おしい時間を残したいと思うからこそ人は写真を撮り、物語として綴るのです。

そんな時間をお手伝いしているのがフォトスタジオやカメラマンです。
家族の歴史を一緒に作ることができる素晴らしい仕事です。

エピソードの中に、カメラマンご自身の家族に対する愛についても触れられているものがありました。

カメラマンもまた自身の物語があり、家族がいて、その家族に想いを馳せます。

エピソードにはたくさんの物語が含まれています。

それを読む私たちもまた、そのご家族やカメラマンの物語に入り、感動し、泣き、くすっと微笑み、そして自身の家族に想いを馳せているのです。

エントリー締め切りの8/15までにまた素敵なお写真とエピソードがたくさん見られることを楽しみにしています。

家族写真プロジェクト発起人 青木水理

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