写真で話そう写真で語ろう

お知らせ

noteでも家族写真のコラムを連載しています!

先日実家の写真を全てデータ化してもらった
『節目写真館』

データ化プランの中にもうひとつ含まれるサービスに
「写真について思い出を語り、そのお話をフォトブックにしてもらう」
というものがあり、先日体験してきました!

家族写真を見ながら思い出をインタビューする

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インタビュアーの方を前に実家の父に写真を見て語ってもらい、兄弟(長女の私、弟、妹)がそれを聞いて話をするという形式。

すでに私たち兄弟は別所帯を持っており、遠方に住んでいるためGoogle meetを使って行いました。
両親の出会いから結婚、祖父母の事、私たちが産まれた日のこと、名前の由来…
ひとつひとつの写真からいろんなエピソードが聞けました。

私が知らない両親の話、祖父母の話

特に父方の祖父母は、私が物心着く前に亡くなっていたため、知らなかった話がたくさんありましたし、私が覚えている記憶と父の記憶に相違があり、あの時私が見ていた光景は実際はこうだったんだな…と発見がありました。

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父方の祖母。フイルムからデータ化してくれて、色補正までしてもらったので綺麗に残してもらった。嬉しい。
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ちなみに写真から起こしてもらったほうはこちら。やはり40年近く前の写真は劣化する。

祖母が亡くなった日、今の私の年齢よりずっと若かった父が何を考え、どんな思いでいたのか。

今だからこそ語れる話、今聴いておかないといけない話がたくさん。

なぜ、このタイミングでインタビューしようと思ったのか

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両親はまだ60代なので、話を聞くのは早いのかもしれません。
でも、なぜこのタイミングで実家の写真をデータ化し、話をしてもらったかというと
もうすでに子ども達は巣立って、実家の写真がこれ以上子ども達の写真で増えることはないこと
両親がまだ元気で記憶があるうちに両親の話を聞いておきたかったというのがあります。

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この牛のぬいぐるみはうっすら覚えている。まだ実家にあったかな~

記憶は薄らいでいくし、いつ両親がいなくなるかわからない。
今、一番記憶がフレッシュなうちに、そして私たちが当時の両親と同じくらいの子を育てている時の話を聞いておきたかったのです。

家族全員が一緒にいれる期間はとても短い

私たち3人の兄弟は18歳で全員家を出ていますから、両親がそれぞれの子どもと過ごした期間はわずか18年。

3人の子ども達全員が家にいた期間だけでいうならたったの10年しかありません。

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節目写真館の方曰く、子どもたちが増えると必然的に父親の映っている写真は少なくなっていくとのこと。そうかもしれない。

同じように、我が家には3人子どもがいますが、末っ子が生まれた時には一番上の長女は11歳。
仮に、長女が同じように18歳で家を出ていくとすると、3人の子どもが一緒にいられる時間は7年(自分で書いててかなり衝撃)

いま、長女は15歳なので、もう半分を超えてしまいました。

子どもが一緒に写真に写ってくれる期間も、とってもとっても短く…

そう思うと、家族がそろって一緒にご飯を食べたり、寝起きを共にし、あるいは旅行に行ったり、共有する時間というものはなんて短いのでしょうか。

大人になってからももちろん交流はありますが、純粋に子どもが子どもでいられる期間というのは本当に短いものです。

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時代を感じる…

そう思うと、育児の大変な時期すらも愛おしくかけがえのない時間なのだとしんみりします。

写真を残すことの意味

改めて、私の両親は写真をたくさん残してくれていましたが、写真があったからこそその思い出を何回も反すうして、何度でも子どもだった頃に戻れる機会をもらえているのはありがたいことだと思います。

小さい頃の自分の写真を眺めていると、当時のことが思い出されて、しばし子どもだった自分にタイムスリップしたような気になります。

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若き日の父と私。この写真はお気に入りです。

ここ数年は自分の中で辛いことが続いていました。
でも、家族写真を振り返る機会を作ったことで、結果的にその辛さが中和されていく感覚を覚えました。

それは、写真を見ることで、両親から愛されていることや、子どもの頃の大切な思い出が私を癒し勇気づけてくれたのだと思います。

私は常々自分の子どもにも「将来この子が家族から巣立ち生きていくためにお守りのような写真を作っていきたい」と思っていますが、自分自身が実感する出来事となりました。

写真以外に大事なこと

もうひとつ、大事だと思ったのは、先日ある記事で
「両親が亡くなって後悔したことは、写真はたくさんあるけど動画が少なく、両親の声が思い出せなくなってきている」
というものでした。

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今は、動画で声や動いている姿も気軽に残せる時代です。
いつ、目の前から大切な人がいなくなるかわかりませんから、積極的に動画も撮っておきたいと思うようになりました。

それを強く実感したのはやはりコロナ禍です。
3年前、初めて祖母(子どもから見たら曾祖母)に末っ子を会わせた時の動画が手元にありますが、その後コロナが流行しそれきり一度も祖母には会えていません。
祖母はもう98歳ですから、そのまま、会えないかもしれないと思うことがあります。
そう思うと、あの時動画を撮っておいて良かったと強く思います。

今こそ、写真で話そう写真で語ろう

過去の事は振り返らない、大事なのはいま。
という言葉が多く聞かれる時代です。
それでも、今の自分の基礎となる子ども時代を過ごした写真を振り返ったり、家族写真を通じて過去にさかのぼることはけして現実逃避でも、無駄な事でもありません。

自分のルーツを改めて知り、過去を探ることで今を生きるヒントも出てくることがあります。
なにより、家族が、写真を通じてもう一度『あの頃』にタイムスリップできる時間を持つことは、生産性はないかもしれませんが心の栄養になります。

忙しい現代を送る私たちには、人生を振り返る時間がいくらか必要のように思います。

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振り返る時間を定期的に持つことで、楽しかったことはより強く残り、そうでなかったことも時間が経つと経験として残ります。

そうして、定期的に家族を通じて自分を見つめ、日頃の忙殺からふっと抜け出し、大切なものを大切にする時間が人生の生きる意味を教えてくれます。

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